持続化補助金 申請の全ステップと必要書類チェックリスト
「必要書類が多すぎて、どこから手をつければいいか分からない」——持続化補助金の相談で、いちばん多い悩みです。
この記事でわかること
- 必要書類は「誰が作るか」で3つに仕分けると一気に整理できる
- 様式1〜6と添付書類を、順番どおりに準備するチェックリスト
- 第20回で変わった「ウェブサイト関連費30万円まで」のルール(HP目当ての方は特に要注意)
この記事の主張はひとつです。持続化補助金でつまずくのは「書類が難しいから」ではなく、「どの書類を、誰が、いつ用意するのかが頭の中でごちゃ混ぜになるから」です。逆に言えば、書類を"作る人"で3グループに分けてしまえば、初めてでも落ち着いて進められます。
制度の数値は年度・回次で変わります。本記事は2026年11月時点の公開情報をもとに整理したものです。申請前には必ず最新の公募要領(商工会議所・商工会・各事務局の公式ページ)をご確認ください。
まず全体像:持続化補助金の基本(3行)
- 従業員が少ない小規模事業者の「販路開拓(売上を伸ばす取り組み)」を国が後押しする制度です。
- 補助率は原則 2/3、補助上限は一般型・通常枠で 50万円。インボイス特例・賃金引上げ特例などに当てはまると上限が上乗せされます(上乗せ額は回次・特例で変わるため最新の公募要領を要確認。出典:中小機構ミラサポplus/補助金ポータル)。
- 対象の目安は、商業・サービス業で従業員 5人以下、製造業その他で 20人以下 です(宿泊業・娯楽業は20人以下。区分の詳細は公募要領を要確認)。
HP制作、チラシ、展示会出展、店舗改装、予約システムの導入なども、販路開拓につながる取り組みなら対象になり得ます。
必要書類は「誰が作るか」で3つに分ける
ここがこの記事のいちばんの肝です。必要書類をバラバラの一覧で眺めると多く感じますが、"作る人"で仕分けると3つだけになります。
| グループ | 書類 | 誰が作る? | 準備のコツ |
|---|---|---|---|
| ① 自分で書く | 様式1・2・3・5・6 | 申請者本人 | 中身の勝負どころ。早めに着手 |
| ② 他人に出してもらう | 様式4(事業支援計画書) | 商工会議所・商工会 | 締切が早い。先に相談予約 |
| ③ すでに手元にある | 確定申告書の控え など | 税務署に提出済みの書類 | 探すだけ。見つからない時間を見込む |
✕ ありがちな進め方:様式1から順番に、全部を同時に埋めようとして手が止まる。
◎ おすすめの進め方:②(他人任せ=締切が早い)から逆算し、①(自分の計画書)を先に仕上げ、③(探すだけ)は並行して集める。
この「②→①→③」の意識があるだけで、締切直前の事故がぐっと減ります。
申請の全ステップ(この順番で動く)
ステップ1:GビズIDプライムを取得する(最優先)
申請は電子申請システム「Jグランツ」から行い、利用には「GビズIDプライム」というアカウントが必要です。これが最初の落とし穴で、取得には申請から発行まで3〜4週間かかることがあります(出典:GビズID公式案内)。「書類がそろってから登録」では間に合いません。やると決めたら、いちばん最初に申し込むのが鉄則です。
ステップ2:経営計画・補助事業計画を書く(様式2・様式3)
補助金の中身は、この2つの計画書で決まります。
- 様式2(経営計画書兼補助事業計画①):自社の強み・市場・顧客をどう捉え、何を目指すか。
- 様式3(補助事業計画②):補助金で具体的に何をやり、いくらかかり、どう売上につなげるか。
審査はこの計画の説得力で決まります。「HPを作りたい」で止めず、「誰の・どんな困りごとを・どう解決して売上をいくら伸ばすのか」まで数字で書くのがコツです。
ステップ3:商工会議所・商工会に相談し、様式4を発行してもらう
様式4(事業支援計画書)は、自分では作れません。事業所の地域を管轄する商工会議所または商工会が発行する書類です。発行には相談と計画の確認が必要で、様式4の発行受付締切は申請本体の締切より早く設定されています(下表参照)。計画書(様式2・3)を先に仕上げ、余裕をもって相談に行かないと間に合いません。
ステップ4:添付書類(確定申告書など)をそろえる
ここが見落としやすい③グループです。事業の実在と財務状況を示す書類を、事業者区分に応じて用意します。
| 事業者区分 | 主な財務の添付書類 |
|---|---|
| 個人事業主 | 直近の確定申告書(第一表・第二表)と、収支内訳書または青色申告決算書 |
| 法人 | 直近1期分の貸借対照表・損益計算書 |
| 開業直後で決算が未到来 | 開業届の控えと、売上台帳の写し など |
(出典:補助金ポータル/各事務局ガイドブック。必要な添付物は枠・年度で変わるため公募要領の最新版で要確認)
「確定申告書の控えが見当たらない」はよくある話です。e-Taxなら受信通知、紙提出なら収受印のある控えを早めに探しておきましょう。
ステップ5:Jグランツで提出する(様式1・5・6ほか)
計画書・様式4・添付書類がそろったら、Jグランツで提出します。電子申請では様式1・2・3・5・6の内容を直接入力し、様式4と各種証明書類を添付するのが一般的です。
- 様式1:申請書
- 様式2:経営計画書兼補助事業計画①
- 様式3:補助事業計画②
- 様式4:事業支援計画書(商工会議所・商工会が発行)
- 様式5:補助金交付申請書
- 様式6:宣誓・同意書
スケジュール感(第20回の例)
2026年度・一般型・通常枠(第20回)の受付は、公開情報では次のとおりです。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日 17:00 |
| 様式4(事業支援計画書)発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 採択発表予定 | 2027年3月頃 |
(出典:補助金ポータル/各商工会議所の第20回案内。回次・日付は変わるため最新の公募要領を要確認)
ポイントは、様式4の締切(12/4)が申請本体(12/15)より早いこと。だからこそ、前の章の「②→①→③」の順番が効いてきます。
【要注意】HP目当ての方へ:ウェブサイト関連費のルールが変わりました
MON-techにご相談いただく方の多くは「補助金でHPを作りたい」という目的です。ここで、第20回からの大きな変更を押さえてください。
- ウェブサイト関連費(HP・ECサイト・システムの開発等)は、補助金交付申請額のうち上限30万円(税込)までになりました。第19回までの「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から引き下げられています。
- さらに、ウェブサイト関連費や広報費は、それ単独では申請できません。必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。
(出典:小規模事業者持続化補助金 公募要領【第8版】/補助金ポータル・各事務局。詳細は最新の公募要領を要確認)
✕ よくある勘違い:「補助上限50万円だから、HP制作に全額50万円使える」
◎ 正しい理解:「HP(ウェブサイト関連費)は最大30万円まで。残りはチラシ・展示会・設備など他の経費と組み合わせる」
つまり、HPだけを目的にするのではなく、「HP+αの販路開拓」として計画を組むのが、第20回のセオリーです。
よくある勘違い(信頼を落とす前に)
- 「申請すればもらえる」ではありません。審査のある補助金です。採択を保証する業者には注意してください。
- 「補助金が先に振り込まれる」ではありません。原則、採択→事業を実施→支払い→実績報告→後から入金、という後払いです。手元資金の計画も必要です。
- 書類の「作成代行」には制度上の線引きがあります。MON-techは制度の読み解きと、補助金で作るHP・システムの中身(補助事業の実装)を支援する立場です。書類作成そのものは、必要に応じて商工会議所や行政書士など専門家と連携してご案内します。
つまずきを減らすコツ(MON-techの現場から)
HPやシステムのご相談を受けていて感じるのは、計画書が「やりたいこと」で止まっているケースの多さです。審査で見られるのは「その投資で売上がどう動くか」。たとえば予約システムなら「電話対応に取られていた1日◯時間が空き、取りこぼしていた予約を◯件拾える」まで落とすと、計画が一気に具体的になります。実装の中身まで見える相手に相談すると、この"数字への翻訳"が進みやすくなります。
よくある質問
Q. 書類は全部そろえてから相談に行くべきですか?
A. 逆です。様式4は商工会議所・商工会が発行し、締切も早いので、計画書(様式2・3)がある程度できた段階で早めに相談するのがおすすめです。完璧を待つと間に合いません。
Q. GビズIDプライムは申請直前でも間に合いますか?
A. 発行まで3〜4週間かかることがあります。着手を決めた日にいちばん最初に申し込むのが安全です。
Q. HP制作だけで申請できますか?
A. 第20回では、ウェブサイト関連費は単独で申請できず、上限も30万円(税込)です。チラシや展示会など、他の販路開拓の取り組みと組み合わせて計画を立てましょう(最新の公募要領を要確認)。
まとめ:書類は「誰が作るか」で3つに分ければ迷わない
必要書類は、①自分で書く(様式1・2・3・5・6)②他人に出してもらう(様式4)③手元を探す(確定申告書など)の3グループ。この仕分けと「②→①→③」の逆算で、初めてでも慌てずに進められます。
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